こんにちは。「中小企業の広報に役立つマガジン」編集の安部です。
・今の広報誌、会報誌を見直したい方
今回は、これから初めて広報誌・会報誌をつくる方を対象として、まずは何を決めていく必要があるのかという基本のポイントを7つに分けてご紹介します。広報誌のつくり方で迷われている人は、ぜひ参考にしてみてください。
広報誌・会報誌をつくるときに決めること1:編集長
最初に決めるのは、編集長です。実務上、責任者を明確にするという点でも必ず決めておきましょう。役職者ではない一般の社員が担当する場合でも、その人が編集長です。
社内で情報を集めやすいよう、編集長にはある程度の権限や自由度をもたせるのがよいでしょう。
編集長は広報誌制作の進捗状況を管理するとともに、原稿をチェックしてGOサインを出すなど、広報誌の内容に関して最終決裁者となります。
広報誌・会報誌をつくるときに決めること2:発行時期
トピックが多く、広報誌に十分な人的資源を割り当てられる企業であれば毎月発行することもありますが、初めて広報誌をつくる場合、専任でない限り毎月発行は非常に困難です。
はじめのうちは隔月や季刊(3ヶ月に1回)、余裕をもって年2回や年1回などで発行し、様子を見ていくとよいでしょう。
ただ、広報誌をどのように活用するかは企業の考え次第でもあるので一概には言えませんが、クライアントとのつながりを意識するならやはり3ヶ月に1回くらいは発行できるのが理想だと思います。
広報誌・会報誌をつくるときに決めること3:編集会議の開催について
広報誌の発行に合わせて定期的な編集会議を開催できるよう、関係者と合意しましょう。次号の企画を決めるために、各号で最低一度は開催しましょう。担当者が一人の場合は会議体を設ける必要はありませんが、企画を確定させる期日は必ず設定しておきましょう。
編集会議で話し合うことは主に企画の内容です。例えば…
- 特集の内容や執筆依頼先を決める
- 新連載の立ち上げや既存連載の終了を決める
- 単発トピックの案出しと決定
- 全体のページ割
などなど。また、表紙に毎号違う写真やデザインを用いている場合、次号ではそれをどうするか、などを話し合うこともあります。
発行期間にもよりますが、月刊などハイペースで発行する場合は事前に特集の企画を何本か温めておくといいでしょう。毎号毎号ぶっつけで考えていたら疲弊してしまいます。
広報誌・会報誌をつくるときに決めること4:読者ターゲット
続いて考えるのは読者ターゲットです。広報誌だと基本的には自社の既存顧客や見込み顧客、そしてまだ見ぬ潜在顧客がターゲットになってくることが多いかと思います。会報誌だと会員ですね。
広報誌の場合、お客さまや関係者など、年齢や性別、職業、立場など、読者層は幅広くなってきます。しかし、そのすべてに対応しようとすると何の特徴もない広報誌になってしまうというジレンマもあります。
初めて広報誌をつくるときにはターゲットをあえて決めず、実際に発行しながら考えていくのもいいかもしれません。以下の記事では広報誌をリニューアルするときのターゲットの見直しについて書いています。参考にしてみてください。
会報誌の場合には会員の中で特に注力したい層を選定するなどの方法が挙げられます。あるいはAという商品を使ったユーザーに対してBという商品を勧めたい、など号によってターゲットを変えていくのもアリです。
広報誌・会報誌をつくるときに決めること5:コンセプト
ターゲットが決まったら、次はコンセプト。私の経験上、最も重要なのはコンセプトです。
広報誌や会報誌に限らず、コンセプトが存在しない雑誌は作っている側もどこかボンヤリ、読んでいる側もどこかモヤモヤ。カタチにはなっても、読んでも心を動かされることがありません。
しかし項目4で説明した読者ターゲットが具体的に絞られていればいるほど、コンセプトも自然と決まってくるものです。
コンセプトのつくり方に関してはこちらの記事で、私自身の経験を踏まえて紹介しています。
広報誌・会報誌をつくるときに決めること6:仕様
ページ数、用紙サイズ、用紙の種類、綴じ方、綴じ方向などです。発注する印刷会社と相談しながら決めていくといいでしょう。
詳しくはこちらの記事でまとめていますので、ご覧ください。
広報誌・会報誌をつくるときに決めること7:誌面のトーン&マナー
誌面づくりを始める前に、トーン&マナーを決めておきます。
トーン&マナーとは、ブランディングにおけるデザイン・クリエイティブの表現をルール化したものである。
トーン&マナーでは、まずは以下の3つをデザイン・クリエイティブのルールとして設定することを勧める。
・キーフォント:広告・販促物のメインになるフォント(書体)
・キーカラー:メインになる色、または配色
・キービジュアル:メインになるイメージ写真やキャラクター
(公益社団法人日本印刷技術協会ホームページより引用)
広報誌のデザインをデザイナーに発注する場合には、あらかじめトーン&マナーの希望をもっておくといいでしょう。
ただし、上に引用したようなフォントや配色は、グラフィックデザインの知識や経験が無ければ適切なものを選ぶのが難しいこともあります。
そこでオススメするのは、具体的なフォント名や配色を考えるのではなく、広報誌全体のイメージをしっかり固めておく、ということです。
どんな広報誌なのか……イメージを言葉でどんどん出していきます。たとえば「真面目さ」「誠実さ」「素直さ」……もし自分以外にも編集メンバーがいるなら、必ず声をかけて一緒にブレインストーミングしていきましょう。その過程で、お互いの目指す広報誌のイメージが共有できます。
イメージを言語化したら、次はその言葉に合ったデザインを本屋やwebで探しましょう。それをもとにデザイナーと話してみてください。きっと最適なフォントや配色、写真を選んでくれるはずです。
そして、トーン&マナーを考えるのはデザインだけではありません。文章の「読感」です。広報誌をつくるときに複数の人が関わってくる場合、人によって文章の「味」が変わってきます。ものすごくテンションの高い調子の人もいれば、穏やかで柔らかい文章を書く人もいるでしょう。
それらの読感を統一するか、それともあえて生かすか。項目5でつくったコンセプトやデザインのトーン&マナーをもとにして、文章のトーン&マナーをつくっていきましょう。具体的には「特集は、ですます調で統一する」「事→こと、私達→私たち、下さい→ください、など平仮名を使う」「!は使わない」などなど、いろんなルールが考えられます。
正解はありません。読んだ人にどう感じてもらいたいか、それを突き詰めて自分なりの答えを出してみてください。ルールが増えれば増えるほど編集の工数が増えるので、バランスを見ながら検討していくといいでしょう。最初にいきなり厳しく決めず、発行が続いて慣れてきたら増やしていくということでもいいと思います。
トーン&マナーにこだわることで、広報誌全体を通じてまとまりのあるムードが感じられるようになります。青系+固めの文体で真面目なトーン&マナーを表現すれば「あの会社は真面目なイメージだな」というイメージ、緑系+柔らかい文体なら「あの会社は環境に配慮しているイメージだな」など、自分たちが伝えたいイメージを受け取ってもらいやすくなります。
広報誌・会報誌をつくるときに決めること まとめ
いかがでしたか? せっかく広報誌、会報誌をつくるなら、自社のブランディングやお客さまにベネフィット(便益)のあるものにしたいですよね。今回紹介したステップをすべて完璧にこなすのは難しいかもしれません。発行を続けていく中で少しずつ整えていくのもアリなので、ぜひしっかりと取り組んでいただければ幸いです。

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