こんにちは。「中小企業の広報に役立つマガジン」編集の安部です。
・広報誌、会報誌の担当を引き継いだ方
・いずれ広報誌、会報誌を見直したい方
「広報誌をリニューアルしたいんです」というご相談は非常に多く寄せられます。 リニューアルの動機は企業によってさまざまです。中には「なんとなく」というケースも多々あります。この記事では、ふわっとした状況から抜け出して明確なゴールを描くことができるよう、リニューアルに必要なステップを事例を用いてご紹介します。
広報誌リニューアルのステップ1:現状の課題を把握する
課題と言っても、実際には「あまり読まれていない気がする」「マンネリしている」「古臭くて新鮮味がないと言われる」など、曖昧で数値化しづらいものであることがほとんどです。
それでも構いません。些細なことでもいいので現状の課題を洗い出し、優先順位をつけていきます。 例として、最重要課題が「あまり読まれていない気がする」だとします。
ここから、課題に対して反対の問いを投げかけてみます。つまり、「どんな状態になれば、読まれていると言えるのか?」と考えてみます。
- 読者アンケートの回収率が10%を超えたとき
- アポイント時に読んだ/読んでないを聞いて、読んだという回答が60%を超えたとき
- 広報誌をきっかけにした問い合わせや発注が5%増えたとき
などが考えられます。まあ、厳格に%で算出する必要はないかもしれません。感覚でもいいので、この「読まれている状態」を定義してみましょう。それがリニューアル後に目指すべきゴール、解決すべき課題になります。
一方で「なんとなく」リニューアルすることになった場合でも、同じように課題は挙げていくべきです。絶対的な最優先課題が無いので「なんとなく」になってしまっているのだと思いますが、それであれば「広報誌経由での問い合わせ件数を月3件にする」などの課題を新たに設けるのもよいでしょう。
広報誌のリニューアルのステップ2:ターゲットの見直し
前項に続いて「あまり読まれていない気がする」という課題を例に考えます。
課題に取り組む上で最初に見直すべき、かつ最も重要なのが、ターゲットの設定です。 というのも、読まれない広報誌の中身を分析していくと、ターゲットが曖昧なケースが非常に多いからです。
広報誌はその性質上、幅広い年齢層、さまざまな立場のステークホルダーが目にするものなので、どうしてもターゲットを限定しづらく、結果としてインパクトの弱い散漫な内容になってしまいがちです。
そして、ビジネスにおいては「お客さまが望んでいるものを提供する」というマーケット主体の考え方が定着しているので、お客さま側の視点から考えるとターゲットを分散させざるをえない。これは仕方のないことです。
しかし、広報誌においては少しこの考え方から離れてみましょう。
広報誌は、自分たちがどのような企業でありたいか、どんなビジネスをもって社会に価値を提供していくか、それを発信するための、作り手側が主体となるメディアです。
漫然と情報発信するのではなく、自社の利益につながっていく具体的なプロセスを描きましょう。
たとえば「広報誌を使って、取引が始まったばかりの顧客に対して自社のイメージを確固たるものにしたい」という目的をもてば、ターゲットは取引開始直後の顧客層になります。
あるいは「最近あまり接点が無くなっていた既存の顧客層の掘り起こしをしたい」であれば、ターゲットは休眠顧客です。
ターゲットを絞ることによって、どんな広報誌にすればいいか、イメージが湧きやすくなってくると思います。 この段階ではある程度まで絞り込めば十分です。次のステップに進みましょう。
広報誌のリニューアルのステップ3:企画構成の見直し
ターゲットが絞られてくると、企画構成のイメージがしやすくなってきます。
取引開始直後の顧客をターゲットにするのであれば、自社が過去にどんなことをしてきたか、何を大切にしてきたか、これからどうなっていきたいか、など、過去〜未来の姿を伝えていく企画などがすぐに思いつきます。
あるいは、企業の風土、性格を伝えていく記事なども考えられますね。 休眠顧客向けであれば、最近になって新たに発売した製品やサービスの紹介などが最初に思いつくのではないでしょうか。また、ベテラン社員の紹介ページを作れば「この人知ってる、懐かしいな」と思い出してもらえるきっかけにもなります。
……と、簡単な例を挙げましたが、実はこれらは、企画そのものに全く真新しさは無いんですね。それどころか定番中の定番とも言えるでしょう。
ただそんな定番企画でも、ターゲットがハッキリしていることで読み手の心に響きやすくなるわけです。企画の斬新さに囚われすぎている人は、このあたりを考え直してみると意外な発見があるかもしれません。
広報誌のリニューアルのステップ4:ターゲットの絞り込み
企画が出来上がると、ターゲットをより具体的に絞っていきましょう。●●社の●●さん、というところまで絞られればベストですが、できるところまでで構いません。 なぜここまで絞るのかというと、2つの理由があります。
1つは、各記事を制作する編集者やライターとのイメージの共有のためです。
同じ読者像を共有できれば、広報誌全体を通して一貫したトーンを生み出しやすいです。作業上も効率が良くなりますし、誌面の品質が上がり読者の満足度が向上します。また、記事の細部を詰めるときに+αのアイデアが出てきやすくもなります。
もう1つの理由は、ターゲット層に事前に目を通してもらうことができるという点です。関係が良好なお客さまがいれば、制作段階で一度読んでもらって意見を聞くことができます。
接点の少ない顧客層をターゲットにした場合など、お客さまに読んでもらうのが難しいときには社内の人など頼める人に頼み、ターゲットの視点で評価してもらうといいでしょう。
広報誌のリニューアルのステップ5:デザインの見直し
ここでは、外部のデザイナーに発注するケースについて解説します。
デザイナーとのやりとりでは口頭や文章だけでイメージを伝えてしまいがちですが、あまりオススメできません。たとえば「オシャレな感じで」と言っても、オシャレという言葉は幅が広すぎます。たった1、2度の打ち合わせだけでお互いのオシャレの意図するポイントをすり合わせることは、かなり難しいでしょう。
そこで、ネットや書店で自分のイメージするサンプルを集めておくとスムーズです。
ステップ4でターゲット像は具体的に絞られています。そのターゲットが読むであろう雑誌やウェブサイトをイメージし、それを収集します。 情報誌、趣味、ファッション誌などを網羅的に見て、理想に近いイメージを揃えておきましょう。もしピッタリのものが見つからなければ、デザイナーに相談して、実際にデザインする前にデザイナーからもサンプルを提示してもらうのもいいかもしれません。
それをターゲット像と一緒にデザイナーに提示すれば、デザイナー側もより早く、よりイメージに近いデザインを出しやすくなります。


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