コストをかけずに自社のことを知ってもらえる! それはいい! さっそく広報を始めよう!
……という流れで、兎にも角にもまずは始めようと広報部門を立ち上げたけど、なかなかうまくいかない……中小企業がゼロから広報を始めるには、飛び越えなくてはならないたくさんの落とし穴があります。
ここではよくある4つの落とし穴をご紹介。ぜひ参考にしてみてください。
・広報がコスト部門扱いされていて困っている方
中小企業の広報 よくある4つの失敗例 1.短期的な売上アップを目指してしまう
わりと短期間の間に具体的な目標数値を掲げてしまう、という失敗の落とし穴があります。
もちろん売上や利益にすぐつながってほしいからこそハマりがちな穴なのですが、広報の性質をちゃんと理解していたとしても、なかなかこの穴をうまく避けることはできなかったりします。
たとえば……
数字今まで広報という活動を意識的に行ってこなかった企業にとって、最初の難関は社内の空気です。
「ただでさえ売上や利益が厳しいのに、広報なんかに予算や人員を充てるなんて」
「現場は人が足りてないんだ。広報なんて超ヒマそうに社内外ウロウロしてるだけじゃないか」
こんな感じの冷ややかな視線に耐えながら、地道に活動することになります。
最初は気にせずやろうとしても、2ヶ月、3ヶ月……と時間が経過しても一向に目に見える変化がない。マネージャーもだんだん気まずくなってきます。やがて他部署の圧力に耐えきれなくなると「いつまでにどれだけの結果を出すか」というお話になってしまうわけです。
こうなってしまうと、マネージャーも全く未知の状況でアテのない数値目標を掲げざるを得ず、部署内のムードは一変し、それまでイイ感じで自社のことを発信できていたのに、急に売り込みっぽい文章を書かなきゃいけなくなったり、集客のメドもないのにセミナーを開催して大コケしたり……。
もし短期的に売上アップを実現したいなら、広報以外の方法を選んだほうがいいというケースは間々あります。たとえばチラシやDMを配ったり、ランディングページをつくってリスティング広告を打ったり、テレホンオペレータを雇ってテレアポをしたり、というほうが実効的なわけです。
だけどあえて広報を選ぶ。その意味を、自部署・他部署ともにしっかり合意しなければいけません。
では、数値目標の代わりにどんな指針をもって広報活動を行えばいいのでしょうか? それはこちらの記事で紹介しています。
中小企業の広報 よくある4つの失敗例 2.広報をいつまでも「兼任業務」にしてしまう
最初に言ったように、広報は短期的には売上に直結しづらい業務です。
ゆえに先の見通しが立たないうちは「営業部兼広報部」や「生産部兼広報部」など、部員を兼任させるケースが多く見られます。
始めは仕方ないかもしれません。しかしいつまでもそれだと、社員のモチベーションは「目の前の仕事を優先的にこなして結果を出す」という方向に自然と傾いていきます。結果的に、広報は有形無実の部署と化してしまいます。
腹をくくって、一定の期限を決めたのちに正式に広報部専任となることを約束して発足するべきです。
中小企業の広報 よくある4つの失敗例 3.リスク優先のチェック体制で管理してしまう
中小企業の広報活動で真っ先に利用されるツールのひとつが、SNSです。うまく活用できれば企業にとって強力な武器になるでしょう。
しかし、同時に顧客からの企業イメージを左右することになり、最悪のケースは炎上や不祥事などにつながるリスクもある、諸刃の剣ともいえます。
というわけで当然ながらリスクを回避するために「ツイート前には上司決裁を得ること」とか「他部署のことは該当部署の承認を得ること」とか「内部の写真使用は法務を通すこと」とか、そういうハードルをドカドカと立ててしまうわけです。
このような従来の企業の決裁フローを適用してしまうと、正直SNSの運用はできないと考えています。
企業アカウントがSNSで認知度を上げるためには、内容はともかく投稿頻度をキープすることが最低条件です。
なのに1投稿するたびに承認、承認……という手間をかけていたら、当然ながらタイムリーな発信はできません。また承認不要の無難な投稿では誰からも興味をもたれることはないでしょう。担当者のモチベーションにも大きく影響します。
そこで、SNS担当者にはある程度の裁量が与えられるよう、全部署で合意を得る必要があります。そして横断的で自由な情報収集ができるようなフットワークを与えること。
もちろん事前に教育はしっかり行います。一般的なソーシャルメディアポリシーに則って指導するだけでなく、具体的にNGな投稿例などを予め担当者と議論しつつ、判断に迷う場合には相談するというルートを用意し、投稿ごとの承認は不要とします。
さらに、万が一炎上などのトラブルが発生した場合でも、それが担当者の悪意や明らかな過失でない限りはマネージャーや企業側が責任を取ることを明示しておくべきです。
中小企業の広報 よくある4つの失敗例 4.SNSへの理解度や適性の低い社員に担当させてしまう
前項に続きSNSについてです。
すでにおわかりのように、SNS担当者にはかなり自由な裁量が与えられることになります。必然的に、相応の信頼やスキルが求められるでしょう。
実現性はさておき、理想をいいます。
- 公開してもいい情報/ダメな情報の選別ができる
- その上でチャレンジングな投稿や自由な投稿ができる
- 人の目線に立って、共感や楽しさを生む文章が書ける
- 個人でもSNSを積極的に利用している(★)
- 人として信頼できる(勤務態度が良い/社内の仲良しが多いなど)
- 誤解を生まない、わかりやすい文章が書ける
という条件が揃っていればパーフェクトです。が、実際には滅多にないと思いますので、この中のいくつかが該当してればラッキーぐらいの感覚でよいでしょう。
★印はあとで説明します。
逆に、任せないほうがいい社員の性質として、
- 指示を受ければ正確に仕事をこなすが、自分で考えて動いたり確証のない仕事をするのが苦手
- 個人でもSNSを積極的に利用している(★)
- 文章を書くのが苦手、独りよがりな文章になる
- あんまり信用できない
などです。★印は、どっちにも共通していますね。
個人でSNSを活用し、情報収集したり交流範囲を広げたり、ポジティブに使っていればOKですが、一方でフェイクニュースや過度に偏った思想を拡散したり、著名人の誹謗中傷をしていたり、ネガティブな使い方をしている人は不適切といえます。
要は使い方、ということです。
特にSNSは本人のセンスに依存する面が大きく、ノウハウとして共有していくことがやや難しい業務なので、任せられる人がいればしっかりケアしながら運用し、いなければSNSはやらない、というのもひとつの選択肢です。
中小企業の広報 よくある4つの失敗例 まとめ
4つの広報失敗例を挙げましたが、個人的に最も大事なのは1かなと思います。長期的に取り組んでいく分野だという認識をいかに全社的に共有していくか、ですね。
一方で、広報がうまくいったとしたら自分の会社がどうなっているのか、その理想のイメージをみんなで抱くことができれば、個々の動きの自由度が上がっても足並みはズレることなく前に進んでいけるのではないでしょうか。


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